こんにちは、アラフォー主婦のぴいすけ(@pskdesu)です。
「産後クライシス」という言葉をご存知ですか?
NHKの「あさイチ」という番組から生まれた言葉です。
出産後に夫婦の愛情が急速に冷え込む現象を「産後クライシス」と名づけ、
2012年9月5日にNHK総合テレビの朝の情報番組「あさイチ」で特集しました。ポプラ社「産後クライシス」より
偶然書店で「産後クライシス」という本が目にとまり、読んだところ、壮絶な産後の夫婦生活について書かれて、衝撃を受けました。
本には、事前にできる心の準備や、「産後クライシス」で苦しんでいる夫婦の解決のヒントがたくさん載っていました。
もしかして、あなたは「産後クライシス」気味で苦しんでいるのではありませんか?
あなたのために、本をご紹介しつつ、「産後クライシス」を乗り越える方法についてご紹介します。
※妻目線の記事になっています。でも、男性が読んでも役立つ内容です!
「産後クライシス」本と著者の紹介
2013年に書かれた新書です。
著者は、HNK報道局記者の内田明香さんとNHK制作局ディレクターの坪井健人さん。
お二人ともお子さんがいて、共に産後クライシスを経験されています。
出版当時の記事がありましたのでご参考まで。
「産後クライシス」の実態
産後の愛情曲線は、大幅に低下する
「産後クライシス」について著者が取材を始めるきっかけとなった衝撃のグラフがあります。

ベネッセ次世代育成研究所資料
妊娠期は夫婦ともに75%近くの愛情があったのに、子どもが生まれた途端、愛情が減少しています。
特に、妻の激減っぷりは、衝撃です。子どもが2歳になるころには34%にまで落ち込んでいます。
内田(女性の記者)の手元にこのデータが届いたときの感想は「やっぱりね」というものでした。
(中略)
ところが、男性上司たちの反応は違いました。「え、女性ってこんなに愛情が下がるの?」ポプラ社「産後クライシス」より
そう。この男女の感じ方の差が「産後クライシス」を生み出しているというのです。
現代のお母さんは子育てに不慣れで、孤独

産後の変化は昔からあったはずです。
しかし、「産後クライシス」問題は特に現代で話題になっています。
それはなぜなのか。
本には、いくつか原因と思われる問題点を挙げていますが、私が気になったのはこちら。
1980年と2003年に行われた大規模調査を元にとりまとめられた数値です。
自分の子どもが生まれるまでに小さい子どもに食べさせたり、おむつを替えたりする育児を経験したことがない母親の割合が40.7%から54.5%に増え、半数を超しています。
さらに、子どもが生後4か月の時点で「近所に世間話をしたり、赤ちゃんの話をしたりする人がまったくいない」と答えている母親が15.5%から32%に倍増しています。ポプラ社「産後クライシス」より
つまり、現代の母親は、子育て自体に全く不慣れで、そして、周りに相談できる相手がいないということ。
どうしても、相談相手は夫のみという状況になってしまうんです。
「産後クライシス」はなぜ起こるのか
妻の悲鳴に気付けない夫と、いらだつ妻
出産は「女性の生き方を大きく変えるイベント」です。
特に産後は、①身体的危機 ②精神的危機 ③社会的危機 が同時に訪れ、女性自身も想像できないほど以前とは違った状態に追い込まれる可能性があります。ポプラ社「産後クライシス」より
初めての子育てというだけでいっぱいいっぱいなのに、多くの危機に襲われ、心も体も弱り切ってしまうのは当然ですよね。
上に書いたとおり、現代のお母さんは孤独であるため、助けを求められる相手は夫のみ。
少しでも助けて欲しいのに、夫はどうしても妻の悲鳴に気付けないのです。
確かにわかる気がします。
例えば、子どもを夫に預けてきたという友人とランチをしたときのこと。
頑張ってるアピールうざいのよねー
こっちは久しぶりのランチを楽しんでるってのに。
妻はせっかく久しぶりの自由な時間に羽を広げているのに、子育て頑張ってるアピールをする夫。
もしかしたら旦那さんは、「頑張ってお世話してるから、安心してね!」という優しさからLINEを送っているのかもしれません。
しかし、疲弊した妻は、それすらウザく感じるようになっているのです…
産後のホルモンの問題
産後、ホルモンの関係で性欲が急激に減ったり、男性を生理的に受け付けなくなることがあります。
それをきっかけに、「産後クライシス」に突入していくパターンが多いようです。
授乳にかかわるホルモンがあるのですが、同時に性欲を減退させるという働きも持っているそうです。授乳や赤ちゃんと触れ合っているだけで、女性は満足してしまうんですね。
卒乳すると、ホルモンバランスも元の状態に戻るので、旦那さんへの思いも戻るかもしれません。(一概には言えませんが…)
夫婦で「産後クライシス」を乗り越える方法
「産後クライシス」を回避する方法が、本に書いてあります。
「夫ができること」「妻ができること」それぞれがまとめてあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
本を読んでみて、「産後クライシス」を乗り越えるのに重要だと感じたポイントをいくつかご紹介します。
「察してほしい」という考えを捨てよう
上にも「妻の悲鳴に気付けない夫」と書きましたが、本の中でよくでてきたのが、「いらだつ妻」「いらだちに気づかない夫」という構図。
なぜ夫たちは妻の変化に気づくことができないのでしょうか。
(中略)
それは「稼げるかどうかで男の価値は決まる」という教育をされてきたために、結婚後も「稼げさえすればよい夫だ」と勘違いしているケースが多いのではないかポプラ社「産後クライシス」より
必ずしも「稼いでるから、よい夫」と勘違いしているとは思いません。
ただし、奥さんが「育休中」の場合、「夫→仕事、妻→子育て」という分担に無意識のうちになってしまう可能性は大いにあります。
旦那さんは、「夫→仕事と子育て、妻→子育て」はおかしいと思う場合もあるかも。
しかし、子育ては想像をはるかに超える大変な仕事です。その事実をきちんと口で伝えることで、理解してもらいましょう。
夫は察してくれないものです。
察してくれないことにいらだつのではなく、
子育てがどれだけ大変なのか、具体的な説明を口頭で伝えよう。
でも、少しずつ「協力的な夫」に育てていくことで、後々楽になるはず!
ひとりの時間をつくろう
子育て中は、とにかく自分のことより、子どものことが優先。
トイレや食事すら、自由にさせてもらえません。
ひとりでのんびりランチに行ける時間ができるだけで、心にゆとりができるはず!
旦那さんに子どものお世話をさせて、ひとりになれる時間を確保しよう。
理解してもらえなければ、上に書いたように、子育ての大変さをしっかり伝えよう。
家族で出かけるのも大事ですが、ここのポイントは「ひとりになれる時間」です。子どもだけでなく、夫からも離れよう!
完璧を目指すのをやめよう
どうやら完璧主義であればあるほど、「産後クライシス」に苦しみやすいようです。
- 今までやってきた、子育てで時間がとられて、家事がこなせない
- 子育ても初めてなのでどうやったらいいかわからない
- 夫に家事を頼んだものの、食器の汚れは取れてないし、ゴミは出しっぱなしでいらだつ
あれもこれもできないと、自分の不甲斐なさに苦しんだりすることも。
以前友人は、こんなことを話していました。
今は、もっと周りに相談しておけばよかったと思ってる。
できないのが当たり前!
できないことで、自分を責めるのはやめよう。
子育てのことを相談できる相手を見つけよう
どうしても、他人と関わるのが苦手だったりすると、引きこもりがちですよね。
知らない人と話すのは、気を使うし、ストレスになります。
でも、意を決して、外とつながりを持ちましょう。
きっと、心がスッと楽になる瞬間と出会えるはずです。
産婦人科や市区町村で、子育て支援のイベントをやっているので、積極的に参加しよう。
両親学級なら、夫の意識改革も可能!
その他にも、「産後クライシス」を回避する方法が、本に書いてあります。
ぜひ読んでみてくださいね。
さいごに
決して一人で抱え込まず、夫や家族、周りの人、友人など、いろんな人を巻き込みながら、みんなで一緒に子育てしていくことが大事なんだと、本から学びました。
上に書いた「産後の愛情曲線」は、その後、回復組と低迷組に二極化するそうです。
産後、夫婦で苦しみながらも、お互い思いやり、協力し合って子育てをしていけば、回復組になれます!
あなたも、一人で悩まず、みんなで乗り越えていきましょう!!
最後まで読んでくださりありがとうございました(*’▽’)